PrEPについて

以下の情報は、世界保健機関連邦防疫センタープランド・ペアレントフッドPrEP Factsをはじめとする、さまざまな信頼性の高い情報源を参照し作成されています。 

PrEPとは?

PrEPはHIVから体を守るために使用することのできる薬です。正しく使用すれば、PrEPは、HIV感染リスクを最大99%低下させる効果が期待されます。

PrEPはPre-Exposure Prophylaxisの略で、病気感染(この場合はHIV)の前にリスクを予防することを意味し、感染後のPEP(Post-Exposure Prophylaxis)とは大きく異なります。

PrEPに含まれる成分とその効果

PrEPは現在、ブランド製品「Truvada」とブランドなしのジェネリックの2種類があります。 最も広く使用されるPrEPのジェネリックは、米国FDAによって承認されたTenof-EM(Hetero Drugs製)およびTenvir-EM(Cipla製)の2つです。

ジェネリック医薬品は、Truvadaと同じ有効成分(Tenofovir TDFEmtricitabine FTC)を含み、同じ方法で(体内でウイルスが増殖するのを止めることによって)機能します。 製造元は特許を所有していない他の会社です。

Truvadaはジェネリック医薬品よりもはるかに高価で、場合によっては月に1,800ドルもの費用がかかります。これは、オリジナルブランドの医薬品を開発した製薬会社が、開発プロセスにかかる費用を回収する必要があるためです。一方で、ジェネリック医薬品製造元は、規制当局に対し、その製品が元のそれと同様の効果があることを示す必要があります。

私たちは米国FDAならびにWHOから承認を受けた、Hetero Drugsから直接調達したTenof-EM133ドル(1ヶ月間分)で販売しています。

Tenof-EMはTruvadaや、Ricovir-EMやTenvir-EMのような他のジェネリックと同じです。

PrEPを使用するメリットとは?

HIVリスクの高い人がPrEPを毎日服用すると感染リスクが大幅に低下する効果が期待されます。

現在、PrEPの使用は、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど、多くの国のガイドラインにて推奨されています。加えて、世界保健機関(WHO)も、2015年に「HIV感染の重大なリスクを抱える人には、他のHIV予防策とあわせるかたちで、追加の予防的選択肢としてPrEPを提供すべき」として、これを推奨しました。

近年、PrEPに関するいくつかの調査が実施され、HIV予防における薬の有効性が最終的に証明されています。これらの調査には以下が含まれます。

調査項目詳細
iPrExの調査● 2499人の男性とトランスジェンダーの女性を対象に実施
● HIV感染に対する耐性は(血液分析で測定した時に検出可能な量の濃度を有する)十分な規則で薬剤を服用した試験参加者の間で高い効果を見せた
IPERGAYの調査● 414人の男性間性交渉者を対象に、適宜のPrEPと対照薬の投与を行いその結果を比較
● 対照薬を服用した被験者に比べ、PrEPを服用した被験者のHIV感染率は86%の低下が見られた
PROUDの調査● イギリスにて544人の男性間性交渉者を対象に実施
● 被験者は直ちに、または、12ヶ月の期間を置いた後から毎日PrEPを服用
● 調査により、毎日のPrEP服用が、対照試験よりも、HIVに対する高い耐性をもたらすことが判明(他の性感染症の増加の証拠もなし)

 

以下に該当する場合にはPrEPの服用の検討が推奨されます。

  • 高活性の抗レトロウイルス療法を受けていない、または、検出可能なウイルス量を有するHIV患者との性行為を行う
  • 複数のパートナーと一貫したコンドームの使用を伴わず、膣または肛門で性交を行う
  • コンドームを使用することに困難や懸念がある
  • レクリエーショナルドラッグを使用している(ケムセックス:薬物を使用した性行為)

次の場合は、PrEPは適切ではありません。

  • 既にHIVに感染をしている
  • 急性HIV感染またはHIVセロコンバージョン病を示唆する症状がある
  • 既に腎機能の障害がある
  • PrEPのいずれかの薬剤に係るアレルギーがある

PrEPの服用方法

PrEPの服用方法は、性行為をどのくらい前から計画するか、どのくらい定期的に性行為をしているのかにより異なりますが、性行為の程度には必ずしも依存しません。

以下に2つの大事なPrEP服用方法をご紹介します。

毎日のPrEP服用
  • 安心感とHIV陰性を望むなら推奨されます
  • 毎日同じ時間に1錠飲んでください
  • 肛門と膣両方の性行為に適しています
  • 1回分の錠剤の服用を忘れても、十分な耐性が持続します
適宜のPrEP服用
  • 24時間前からコンドームなしの性行為をする可能性が分かっている場合に推奨されます
  • 性行為2〜24時間前に2錠、24時間後に1錠、その24時間後にもう1錠服用してください
  • 長期間にわたり性行為をしている場合は、2日間の性行為のない日が来るまで、24時間ごとに1錠服用し続けてください
  • 肛門性交に適しています(膣性交には不適切)
  • 服用は1度も忘れないことが重要です

PrEPは包括的なHIV/STI予防策の一部です。上記のように使用する限りはこの薬剤は効果的ですが、HIV/STI、副作用の検査を受け、必要に応じて新しい処方箋を取得することが重要です。

PrEPは他のSTIを予防しません。できるだけコンドームの使用を続けることを強くお勧めします。PrEPはまた、妊娠を防止するものでもなく、必要であれば妊娠を防ぐために避妊を行うようにしてください。

PrEPのリスクと副作用

PrEPHIV感染に対して効果を発揮しますが、淋菌、クラミジア、梅毒、C型肝炎などの他の性感染症(STI)からあなたを守ることはできません。

場合によっては、吐き気、嘔吐、疲労、めまいなどの軽度の副作用を引き起こすこともありますが、通常は時間の経過とともに消えます。非常にまれなケースとして、PrEPは腎機能に影響を与える可能性があります。

PrEPを服用して重度の(または薄れることのない)副作用を感じた場合には、直ちに医師に相談してください。

PrEP服用開始前

PrEPの開始前、またはPrEP開始に伴い、いくつかの検査を受けることが不可欠です。

最も重要な点として、あなたがHIV陰性である場合にのみPrEPを使用することができます。気づかないうちにすでにHIV陽性であると、薬剤に抵抗を起こす可能性があります。

PrEPの購入、使用前に、医療機関で以下の検査を行ってください。

  1. 4世代HIV検査 - あなたの最後の高リスクへの接触が過去4週間以内である場合、4週間後にこの検査を繰り返して、急性または最近のHIV感染もないかどうか確認してください
  2. 腎臓機能検査 - 腎臓疾患に罹患している場合、または腎臓に影響を与える可能性のある投薬を受けている場合は、PrEPを服用してはいけません
  3. B型肝炎およびC型肝炎
  4. 性感染症(STI)スクリーニング

PrEP服用開始後

PrEP服用開始から4週間後、医療機関での次の検査が推奨されます。

  • 4世代HIV検査の繰り返し
  • 毎日または適宜のPrEP服用状況を確認

その後、PrEP服用中には次の検査を定期的に受けることをおすすめします。

検査頻度
第4世代HIV検査3ヶ月ごと
性感染症(STI)スクリーニング性行為のリスクに応じて3 - 6ヶ月ごと
腎臓機能検査6ヶ月ごと
C型肝炎検査12ヶ月ごと

PrEPの服用を停止しても、肛門性交後2日間、膣性交後7日間、PrEPを毎日服用し続ける必要があります。そしてPrEPの服用を停止した後、第4世代HIV検査でHIVの状態を確認するようにしてください。

その他のお役立ち情報

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